フワリ――。 まるで茜の呟きに答えるように、傷だらけの二人の身体を、白い華奢な手が優しく撫でる。 すると不思議なことに、最初から無かったかのように、傷がキレイに掻き消えて行く。 ――茜。 ――敬悟。 ――良く頑張ったね。偉かったね。 ――もう、良いのよ。もう、全て終わったの。 ――さあ、お帰りなさい。あなた達の生きるべき世界へ。待っている人たちの元へ。