そこは白い空間だった。


何も無い、ただ白い空間。


そこに、茜と敬悟は、手を繋いだまま横たわっていた。


満身創痍で、二人とも生きているのが不思議なくらいだったが、不思議と痛みは感じない。


繋いだ、互いの手の温もりだけを、感じていた。


ここは……?


私、生きてるの?


ぼんやりとした意識の下、閉じた瞼の向こうの白い光を感じて、茜は目を開けようとした。


でも、どうしても開かない。


ただ、とても懐かしい波動を感じ取っていた。


優しい、温かな心地よい波動。


そう、まるで――。


「お母さん……」