な……に? なんなの、これは? 「石ヲ、返セ……」 現実を把握出来ないで呆然としている茜に向かい、鬼がくぐもった声を発した。 「えっ?」 石? 鬼の言葉に、茜の思考が止まる。 次の瞬間、その鬼は茜の目の前に立っていた。 歩いて来たのではない。 瞬きをして目を開けたら、目の前に立っていたのだ。 その余りの威圧感に、恐怖すら凍り付いてしまったように茜はただ棒立ちになっていた。