「け、敬にぃ、ケガしてるの!?」
泡を食った茜は膝立ちで敬悟ににじり寄ると、あたふたと手を伸ばして敬悟の傷を点検し始めた。
「お、おい、茜!?」
茜の行動にぎょっとして固まる敬悟に構わず、パタパタと全身に手を這わせる。
肩、腕、胸。
どこもかしこも傷だらけで、血に濡れている。
でも、違う。
もっと大きな傷があるはずだ。
抱きつくように背中に回した茜の両手が、背中いっぱいに何本も走る抉られたような大きな傷跡に触れた。
「痛っ」
鋭い痛みが走って、敬悟が思わず呻き声を上げる。
「そこは、ちょっとタンマ」
敬悟は心配させまいとおどけてみせるが、茜は一瞬触れた傷の深さに心の芯が冷えるの感じた。
「酷い……」
茜はそのまま傷に触れないように腕を浮かせて目を瞑ると、『治って!』と念じながら手のひらをかざしてみた。
白鬼がしていたように、自分にも傷を治すことが出来るかも知れないと思ったのだが、効果があるのかどうか茜には分からない。



