触れようと手を伸ばすと、男はかき消すように居なくなり、手を戻すと又現れる。 茜は、前に見たSF映画を思い出した。 「ホ…ログラフィ……てヤツ!?」 「おや、早々とバレてしまいましたか。駄目ですよ、若い娘が気安く男の身体に触っては」 笑いを含んだ声が後ろから聞こえて、茜は心臓が飛び出すかと思うほどびっくりした。 「上総!?」 そこには上総が立っていた。 外では雨が降り出したのか全身がずぶぬれで、水が滴っている。 そして、その手は、真っ赤に染まっていた――。