明日の夜『儀式』というのがあり、茜はそれに出ることになっている。 そこで血統上の実の父、『主』と呼ばれる、木部の惣領と会うのだ。 そして、直談判しなくてはいけない。 自分がこれからどうしたいか。 どう、生きたいか。 めまぐるしく知らされた色々な事実――。 確かに、ショックだし、いまだに信じ切れない部分もあるが、大事なものはいつだって一つだ。 ――それさえ忘れなければ、きっと何とかなる。 茜の心は、決まっていた。