上総にとっては、先人の遺志などどうでも良かった。 見たこともない故郷の星などに、興味も関心もない。 「儀式が楽しみだな」 ニヤリと嗤うその口の端に、ぬらりと大きな犬歯が光る。 血のように赤い唇とのコントラストが、よけいにその禍々しさを強調していた。