鬼押神社で、結界の中には入れないと言った玄鬼。
それは、中に居たのが、玄鬼自身だったから?
でも、なぜ?
なぜ、そんなことをする必要があるの?
呆然とする茜をよそに、事態は刻々と進んでいた。
それも、破滅的に悪い方に。
鬼押神社のことは別として、ここの玄鬼は、衛と明日香の為に戦っている。
それは間違いない。
だが、大きさはともかく、力では赤鬼の方が遙かに強い。
茜の目にもその力の差は歴然としていた。
このまま行けば、玄鬼は倒され、父は命を奪われるだろう。
もしもここで父が死んでしまったら、自分は生まれない。
未来が変わってしまう。
でも、茜には何の術もない。
ただ、白鬼の中で、全てを傍観しているだけだ。
あまりの不甲斐なさに、茜は自分が情けなくなった。
その時、白鬼がフラリと立ち上がった。
そのまま、おぼつかない足取りで地面に横たわる明日香の元へと向かう。



