どうしよう!
どうしよう!
どうすればいいの!?
『守りの石』があれば、何とか帰れる望みもあるが、肝心なその石が無い。
玄鬼に助けて貰いたくても、この玄鬼は茜の知っている彼ではないのだ。
他に、何か方法はないのか。
「またあそこに行くのか、明日香?」
玄鬼の声に、茜はハッと我に返った。
「ええ、もう大分ケガも良くなったのよ。これも白鬼の治療のお陰ね」
「え?」
明日香のセリフに茜はぎょっとする。
白鬼っていうことは、私のこと!?
「今日もお願いね白鬼。赤鬼が帰ってくる前に、衛さんに、ここを出て貰わないと大変だから……」
『マモル』!?
って、まさか。
思いも寄らない聞き覚えのある名前が母の口から飛び出して、茜は目を丸くした。
「ふん。神津なんて大層な名だが、疫病神も良いところだ。早いところ出て行って貰いたいものだの」
玄鬼は、その人物が嫌いなのか、憎々しげにそう言って眉を寄せた。
「うそ……」
神津衛(かみつまもる)
それは、茜の父の名前だった。



