敬にぃ! 橘君!
茜は、意識を失う前に自分が置かれていた状況を、思い出した。
惚けている場合じゃない。
早く、元の場所に戻らなきゃ!
茜は、いつもの癖で、胸のペンダントを握りしめようとした。
が――。
ペンダントが無い。
それ以前に、ペンダントを握れる手が無かった。
いや、手は一応ある。
ただそれは、白く毛むくじゃらで、手のひらにはプニプニとした肌色の肉球が付いていた。
ええっ!?
これは、もしかして!?
茜は、慌てて自分の体を見回した。
そして知った衝撃の事実。
茜は、人では無かった。
玄鬼と瓜二つの、色違いの白い子猫。
それが、茜の今の姿、『白鬼』だった。



