「あ……明日香?」 恐る恐る、名前を呼んでみる。 「なぁに、白鬼?」 やっぱり、間違いない。 名を呼ばれ、ニコリと浮かべた少女の笑顔は、間違いなく母のものだ。 「ここ……、どこだっけ?」 あははは、と引きつり笑いで聞いてみる。 「どこって、鬼隠れの里でしょ? 本当、なんだか変よ、大丈夫白鬼?」 「大方、食い過ぎでもしたのであろう?」 ニヒヒと玄鬼が、からかい混じりのヤジを飛ばすが、茜の耳には届かない。 「鬼隠れの里……?」 ポツリと呟き、ゆっくりと視線を巡らせる。