『鳥居』とは、神域を象徴する一種の門。
人と神の域を隔てる『境界線』なのだと敬悟は言っていた。
鳥居をくぐった瞬間に茜を襲った、強烈な感覚。
それはまるで、ピリピリと張りつめた空気が鋭い棘と化して、細胞の一つ一つに突き刺さるような、そんな痛みを伴う不快感だった。
全身が総毛立っているのは、冷たい北の地の夜気のせいばかりでは無い。
――何か、とてつもなく大きな力が、この先にある。
茜自身は気づいていない能力の高まりが、敏感にそれを感じ取っていた。
茜は、振り返りたくなる気持ちを奮い起こして、一歩一歩急な石段を上って行く。
力の源。
神社の境内へと向かって。



