「でも、敬にぃ、凄かったね! あれどうやったの、『パチッ』ってやつ」


「あれは……」


車へ戻る道すがら、無邪気に喜んでいる茜に反して、敬悟の口は重かった。


正直、なんと説明して良いのか分からないのだ。


「あれ……は」


そこまで言って、敬悟はフラリと力無く崩れ落ちた。


地面に転がる寸前、玄鬼に抱き留められる。


「敬にぃ!?」


慌てた茜は、飛びつくように敬悟の顔を覗き込んだ。


顔面蒼白。


青白い顔には、生気がない。


「どうしたの、敬にぃ!? 玄鬼、敬にぃ、どうしちゃったの!?」


「心配ない。急激にエネルギーを消費したための言わば『過労』だ。ゆっくり休ませてやれば大事ない」


敬にぃ……。


ごめんね。


私のせいで、ごめんね。


今度こそ茜は、真剣に猛反省していた。