「赤鬼? さあ、そんなの知らないね。僕は、群れるのが嫌いなんだ」
鬼は、余裕の笑みを浮かべたままだ。
赤鬼の手下じゃない……。
なら、なぜ?
「何が、目的なの?」
やはり、『石』が目的なのだろうか?
茜が、右手に持ったままのペンダントを、ギュッと握り込んだとき、鬼が声を上げて笑いだした。
「僕は、石になんか興味は無いよ、お姉さん。確かに、興味深い石ではあるけれど、僕には無用のものだ」
「え!?」
『しまった』と思ったが、遅かった。
玄鬼は、心を読める。
この鬼も、その力がある可能性に全然思い至らなかった自分に、茜は舌打ちしたくなった。
「面白いね、お姉さん。今までの人間の中で、一番面白いよ」
「え?」
今までの人間の中で?
「そう。大抵は、ここに連れてきた段階で、半狂乱になるんだ」
ごくり。
茜は、唾を飲み込んだ。



