「鬼志茂の時のように、何とかできないのか!? お前だって、力の強い鬼なんだろう!?」
敬悟が玄鬼に詰め寄る。
その勢いに、さすがの玄鬼も気圧されて鼻白んだ。
「茜自信が、『石』の力をコントロール出来れば、なんとかなるかもしれん。あるいは……」
「あるいは?」
「命の危機が訪れれば、石の防御反応が働いて脱出できるやもしれんが……」
石の力で、何処に飛ばされるかは、予測が付かない。
敬悟には、玄鬼の言いたいことは理解できる。
確かに、最初に赤鬼に襲われた夜も鬼志茂の時も、茜が危機に瀕したときに石の力が働いて、どこかに飛ばされている。
それが防御反応なのだろう。
玄鬼の言葉に嘘はない。
敬悟にも、それは分かった。
だが、逆に言えば、茜が生きるか死ぬかの危機に陥るか、石の力をコントロール出来なければ何ともならないと言うことだ――。
こちら側から、手を差し延べることは出来ないのだ。
『こういうことが起こらないように』と自分が付いてきたのに。
まだ二日。
家を出てから二日しか経っていないのに、このザマだ。
力が足りない。
こんな体たらくで、茜を守りたいなんて思い上がりだ。
敬悟は、苦い思いで唇を噛みしめた。



