ブライト・ストーン~青き守りの石~【カラー挿絵あり】


「どういうことだ!?」


敬悟の口から、呻くような呟きが漏れた。


焦って茜の居た周辺を見渡すも、そこにはその痕跡すらない。


鬼志茂の時とは明らかに違う。


あの時は、意識だけが時を超えた状態で、体はそのまま残されていた。


だが今度は、文字通り体ごと忽然と消えてしまったのだ。


「落ち着け、敬悟。今探っておる」


目を瞑って何かを探っている様子の玄鬼の声音にも、いつもの余裕が消えている。


それは、予想外の事態が茜に降りかかって居ることを示していた。


「これは……」


玄鬼が、驚いたように目を見開いた。


「なんだ? いったいどうなっているんだ!? 茜はどこに居る!?」


「このアパート全体に結界が張ってある。それも、かなりの力を持っておる鬼の結界で、中を覗くことすらできぬ。鬼志茂の『混じり物』とは、力の桁が違うとる……」


『厄介な』と、玄鬼が舌打ちをする。


「鬼の結界……?」


敬悟は、アパートをまじまじと見回した。


だが、先刻と何も変わったようには見えない。


「次元が違うのだ。今ワシらのおる次元とは違う場所に、茜は閉じこめられておる」


「別次元……」


敬悟は、呆然と呟いた。