こんなものなの? それとも、私の感覚がおかしいの? 自分自身の気持ちが掴めず、茜はさらに大きなため息をひとつ吐き出す。 「茜!」 不意に名前を呼ばれ、茜はびくりと顔を上げた。 玄関の方から自分を呼ぶ声。 それは、父親のものだ。 時間が来た――。 茜は、ゆっくりと玄関の中に視線を巡らせた。