人知れず存在していた『鬼』が、何故『今』急に自分の周りに出現しだしたのだろう?
それも疑問の一つだが、もっと大きな疑問は他にある。
「なんで赤鬼(シャッキ)は、『鬼隠れの里』の場所を教えないのかなぁ……」
民話の中にしか存在しないと思っていた『鬼』。
その鬼が返しに来いと言う『守りの石』。
でも、返しに来いと言う割に、肝心なその場所を教えない不可解さ。
『監視者』の玄鬼が付いているのだから、赤鬼は茜たちの居所を知っているはずだ。
それなのに、何も音沙汰がない。
文字通り、監視しているだけだ。
「ああ、なんだか分からないことだらけ!」
茜は、自分の膝の上で気持ちよさそうに丸くなっている『監視者』を、恨めしげに見下ろした。



