暗闇の中で、誰かが泣いている。


小さな、女の子。


闇が怖いと。


そこに潜む何かが怖いと、泣いている。


「大丈夫だよ


ほら、僕が手を繋いでいてあげる」


少年は、少女に優しい眼差しを向けると、恐怖に震える小さな手をぎゅっと握った。


小さな、小さな手。


この手を、この温もりを、決して離すまいと、


必ず、守ってあげると、


そう、心に固く誓いながら――。