「茜、今の俺は、本体が無い魂だけの状態で、ろくに力が使えん」
「え!?」
驚く茜の目の前で、苦しそうに言う玄鬼の姿が一瞬、蜻蛉のように揺らいだ。
「げ、玄鬼!?」
「生きて敬悟の元へ帰りたかったら、お前が石を使うんだ!」
近づく鬼女をくい止めるように、玄鬼が両手を前に突き出す。
そこに張られた目に見えぬ力に、鬼女の近づく速度が遅くなる。
だが、玄鬼の言う通り、力が発揮できないのか完全にくい止めることができない。
このままでは、鬼女の手に掛かるのは時間の問題だった。
私が、石を使う?
私の意志で、コントロールする?
そんなことが可能なの!?
迷いながらも、茜は、ペンダントの石を右手に握りしめた。



