ブライト・ストーン~青き守りの石~【カラー挿絵あり】


「何……それ?」


どういう意味なのか問おうとした茜は、玄鬼に腕を掴まれた。


その意外に強い力に、軽い痛みを感じて眉を寄せる。


「良いか、『外に出たいと』心から念じるんだ。行くぞ」


ね、念じる!?


ぐいぐいと腕を引かれて、茜は焦った。


「ちょっと、玄鬼!?」


いつもあれほど傍若無人な玄鬼が、見たこともないほど険しい表情をしている。


訳は分からない。


でもとにかく、玄鬼の言う通りにした方がいい。


そんな気がした。


茜は、ペンダントを握りしめ、『外に出たい』と念じながら裏門を抜けた。


が、案の定、何の変化も起こらない。


いや。


変化はあった。


今、裏門を抜けて、家の外に出たはずだ。


なのに、茜の目の前には、見えるはずの田園風景は無かった。


そこに広がっているのは、今出てきたはずのお香の屋敷。


色とりどりの花が、柔らかな日の光を浴びながら、そよそよと風に吹かれて揺れている。


佇む笑顔のお香の姿も、そのままだ。


「あ……れ?」


思わず、間の抜けた声が茜の口を突いて出る。


「ちっ、やはりまだ無理か」


まだ、無理?