中庭の美しい草花の間を駆け抜け、裏門の手前で玄鬼に追いついた。
もっとも、玄鬼が門の手前で立ち止まっていたから追いついたのだが。
「どうしたの? 行かないの?」
裏門を睨んだまま、渋面を作って何か考え込んでいた玄鬼は、『ちっ』と小さく舌打ちをした。
「カタクリ、露草、曼珠沙華……」
呻くように呟く。
「え?」
「一緒に咲くはずのない花が咲いておる……。俺としたことが、抜かったな」
花が、どうしたの?
ヌカッタ?
意味が分からず顔にクエスチョンマークが浮かんだ茜に、玄鬼は更に物騒なことを言った。
『鬼女は、すでに生まれている』と。



