溢れる涙をこらえながら私は答えた。




「「私をもらってください。」」




もうずっと前から一樹しか見えてなかったよ。一樹しかいらない。




「フッ、喜んで。」




そう言った瞬間、私は一樹に抱きついた。すると私の背中に手を回し、優しく包んでくれた。もう嬉しすぎてどうにかなっちゃいそう。





「好き...ヒック...大好き。」




何回言っても言い足りなぐらい大好き。一樹に抱きつきながらぼろぼろ涙を流す私。止まることを知らない涙。




「...俺も。」




そう耳元でささやくと、ゆっくりと私の体を倒した。私の頭の両側に手をつき、優しい目つきで私を見降ろしている。





「手、貸して?左手。」




そう言って私の左手を掴んだ。そして、薬指にさっき見せてくれた指輪をはめていった。ひんやりとした感触が指の間に広がっていく。