気がついたら、
廊下の長椅子に寝ていた。
どうやらあの後、
気を失ったらしい。

側に居た佳佑くんが
気づいて、
声をかけてくれた。
「…気がついた?」
頷くあたし。
佳佑くんは優しく、
あたしの頭を撫でてくれた。
「…柚は?」
「まだ居るよ。」
「どこ?…会いたい。」
「まだダメだよ。
倒れたばっかなんだから。」
流れる涙。
「…うぅ…
会いたい、
会いたいよぉ…。」
「ごめん、薗田さん…
でも君の体を
案じての事だから。」

解っている。
解っているからこそ、辛い。
佳佑くんの優しさは、
ありがたかった。