秋も深まり、学校では
今度ある修学旅行の
話で持ちきりだ。
柚が行けるかは解らないけれど、
出来る事なら行かせてあげたい。
そう思うのだった。


あたしは、先生に相談していた。
担任の大槻先生は、
あたしの話を聞いて、
うーん、と唸った。
「…何とかなりませんか?
行かせてあげたいんです。」
「そうは言ってもな、薗田。
これは本人の気持ちも
関係してくると思うんだ。」
「…本人の、気持ち?」
「そうだ。
俺達が勝手に決められない。
親御さんの協力もいるし、
問題は山積みだぞ?」
「…解りました。何とかします。」
「何とかって…
おい、薗田!!」

あたしは先生を
無視して、柚の元へ向かった。