あたしは恐る恐るドアを開けた。
「…ただいま。」
出てきたのはお父さんだった。
「おかえり。」
「柚、寝てる?」
「あぁ、ぐっすりだよ。
多分今日は起きれない
かもしれないから、
うちに泊まらせなさい。
お母さんなら、
僕が説得しておくからさ。」
お父さんは笑ってそう言うと、
リビングへ引っ込んだ。


あたしはホッとして、
柚の家へ電話を掛けた。
泊まらせる事を告げると、
おばさんは少しだけ心配そうに言った。
『…ちょっとだけ心配だけど、
真桜ちゃんとこならいいかな。
柚の事、頼むわね。
明日の朝迎えに行くわ。
準備済ませててね。』
「はい。」
あたしは受話器を置いた。


それからあたしは、
まだ1つ残っている
問題を解決させに行った。
ドキドキする。
怖い。
深呼吸をして、リビングに入る。