とある日曜日。
柚から家に電話があった。
あたしはまだ携帯電話を
持たされてなくて、
柚との連絡手段は
いつも家の電話。
何度もお願いしてみたけど、
お母さんが許可してくれない。
だから我慢してる。
本当はすごく
不便なんだけどね。


階段を上がって、
お母さんが受話器を
持ってきた。
「真桜、電話よ。
男の子みたいだけど、
あんた付き合ってる人居るの?
今度紹介しなさいよ。」
「気が向いたらね。」
適当に返して
受話器を耳に当てる。