「…お前、誰?」



終わった、
そう思った。


彼はあたしの事なんか
ちっとも覚えて
いなかったんだ。


「悪いけど…
お前の事なんか
知らないから。」
「そか…。
覚えてないよね、
そんな小さな頃の事…。
ごめん、勘違いしちゃって。」
「別に…。」


彼はクールに、
その場を離れていった。


あたしは悔しくて、
隠れて泣いた。