数日後。
何もかもが終わって、
あたしは柚のお母さんに
呼び出されていた。
「柚の持ち物、
何でもいいから一個
持って帰ってあげて。」
そう、言われたからだ。


持ち帰るものは
すぐに決まった。
あの指輪を
あたしにくれた日、
柚がネックレスにして
付けていた
お揃いの指輪。

やっぱりこれは
大切なものだから。
2人の、愛の証だから。