湧き上がるのは、女子の奇声。

殆ど「ヤバい」とか「夢みたい」ばかり。

それを宥める担任と少しシラケた目で見る男子。

『ここの卒業生の“クレッシェンド”が、文化祭の日に来てもらえる事になりました』

…そりゃあね。
女子は天にも上る思いでしょうよ。

私は担任の言葉が終わるか終わらないかの内に響く奇声に耳が可笑しくなった。

ギンギンする耳を触りながら、静かに携帯の文字を打った。

『…聞いてないんだけど?』

私の彼氏である、“クレッシェンド”のリーダー朝貴(トモキ)へと。

そして、携帯を閉じた。