前総長の代から、俺は“闇の蝶”に入っていた。
そこは、少ない人数の女もいた。
レディースに別れてるわけではなく、全てが同じ族。
本当に少ない人数だったし、あまり関わらないから特に気にする必要もなかった。
中三の時、俺は倉庫に入り浸っていた。
親と仲が悪かったから。
「世の中は平和だね。」
同期の雅(ミヤビ)も、家庭環境が俺と似ていて大体絡(ツル)んでいた。
「人は平和が好きだからな?」
俺は自販機からコーラを出して、雅に渡す。
「まぁ、いいんだけど。」
あまりものを考えない雅は、馬鹿だ。
でも、その馬鹿さが時に心を軽くする。