暴走が始まった。

「…やっぱり好きになれない、暴走は。」

見送った愚連隊を背に向け、そう呟くのは総長。

「エコですか?」

「そうそうあたしは地球に優しいからさ?」

楽しそうに冗談に乗ってくれる総長は、きっと愚連隊等からも愛されている。

「皐月(サツキ)はなんで行かなかったの?」

総長は変わった。

逃げた後、『龍の牙』の総長に出会ってからだと思う。

「…たまには、静かな夜を過ごすのも良いと思ったんです。」

俺はまだ。

総長と会った時の事を覚えている。