「遅い。」

「ごめん…なさい。」

誰もが眠くなるような昼休み。

屋上にいるのは、あたし達二人だけ。

眉を顰めるあたしの『彼氏』と呼ばれるこの男。

涼しげな美形の男の『彼女』と呼ばれるあたし。

どこで間違えたんだか。

「ん。」

500円玉をあたしの手に乗せ、パンの袋をあける。

「…多いのですが?」

「小遣い。」

わーい!

とでも喜ぶかと思ったかこの馬鹿野郎!!

でも、

「…はい。」

この飴と鞭方式の飴の方に若干喜ぶ自分がいる。