空気が良いからと言って田舎に引っ越してきた。

それでも、1年の殆どを病院で過ごす私には関係ない。

転入してきた高校には、前の高校の半分くらいの生徒しかいなかった。

…それでも良い。

帰り道でちょっと遠いコンビニで何時間もお喋りをしたり。

昼休みに友達と一緒に屋上に行ったり。

夢は沢山あった。


…なのに。

「友達ゼロって笑い話?」

「本気な話」

「面白いね」

クスクス笑う彼は、一学年下の城島くん。

「面白い話じゃないからね?本気の本気で、私は悩んでいるの!」