「アンコールだと」
呆れたように、でも凄く楽しそうに朝貴は笑う。
「じゃあ行くか」
城島さんもベースをもう一度、持ち直した。
俺も行く。
その明るく輝くステージの向こうへ。
「ヤバい!」
俺はアンコール後、急いで外に出た。
「幸四郎、打ち上げは?」
オウ君が後ろを追いかけて、言ってくる。
「ごめん、約束がある!」
…今日は芙柚の誕生日。
そして、県外コンサートの日。
俺はすぐに電車に座って携帯を開く。
『もしもし?』
「もしもし、芙柚。そっちに着くの遅れると思うから、駅で待って───」
なくていいから。
…ブチッと何かが切れる音がした。



