歳月は人を待たず。 県外コンサートの事もある。 「じゃあ解散」 朝貴が言って、リハを終える。 「寒ー」 「うわ、寒っ」 オウ君は冷風に体をビクつかせ、マフラーに身を埋める。 「それはもしや彼女の手作りか?」 城島さんは冷やかすように笑った。 改札口を抜け、オウ君は肩を竦めながら、 「残念。アイツがくれた市販の」 「ありゃー」 「手作りはあっちだと思うけど」 朝貴の方を見る。 俺等に加わらず、静かに歩いていた朝貴の首にも黒いマフラー。 「あ?」 怪訝そうな顔でこっちを見る。