家に入る前、
「…来週さ?」
芙柚は遠慮がちに言ってくる。
「何?」
「なんでも…ないっ」
冷たい風が吹く。
その前に、芙柚は玄関の扉を閉めた。
「…なんだ?」
来週?
何かの記念日だっ………あ。
俺は冷たい風に当たりながら、あいた口が塞がらなかった。
「芙柚の誕生日だ…」
何やってんだよ、俺。
芙柚にメールするのは、高校の時以来だった。
『なんか欲しい物ある?』
『ある』
思った通り、早く返信がくる。
『何?』
『一緒に買いに行っても良い?』
『了解』
俺は携帯を閉めて、眠りについた。
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