あいつのせいで、入学式に遅刻した。
後ろの入り口からそっと入って自分の席につくと、隣の香織が話しかけてきた。

「どしたん?遅かったね」

「あーまぁちょっとね」

それだけ会話してそれぞれ前を向いた。


「では、次は生徒会長の挨拶です。」

生徒会長らしき人が壇上に上がると、生徒たちから黄色い声が上がる。

なんだろ?

「皆さんご入学おめでとうございます。僕が生徒会長の芹沢悠です。」

「あ!!」
やべっ。つい叫んじゃった。
周りがこっちを見てる。

あたしはすいませんと言って席についた。
生徒会長をみるとこっちを見て笑っている。

あいつ、生徒会長だったのかよ!

芹沢悠を睨むと奴はとんでもない爆弾おとした。

「皆さんにお知らせがあります。生徒会に新たな役員が入りました。今から呼ぶのでで、放課後生徒会室へ来てください」

嫌な予感。

「1-3組の神田麗奈さん」

悪魔だ。
壇上ににっこりと微笑んだ悪魔がいる。

つーことはあたしは勇者か
悪魔を倒せってか
できれば勇者より
さらわれた姫がいいな。
んで、勇者が助けにくんの。
あ、だめだな。
あたしそんなキャラじゃない。

そんなあたしの儚い?現実逃避は香織に破壊された。

「麗奈、アンタなんかしたの?」

「なんもしてない。」

「異例よ?1年生が生徒会なんて。」

「さあ?」

「まぁ頑張りなさい。」

「酷いよ、香織。
普通、そこは生徒会長に文句言ってやる!あたしの親友を勝手に生徒会になんかいれて!
って言うんじゃないの?」

「あ?」
にっこりと、あ?って言わないでぇ!!

「すいません、調子のりました」汗
香織、怖いよぉ