優也君がお兄ちゃんを睨む。 「あはは~、彼氏君?ごめんごめん!」 「サイッテー」 あたしがぼそっと言うと、お兄ちゃんが振り向いた。 「大丈夫。今日華ちゃんは彼氏一筋だもん。俺の言葉で揺らいでなんかないよ~」 「そんなのわかってる!」 「そういや、尚ちゃんどうだった?」 「ちゃん付けやめてよ」 「お前だっていい加減にフルネームやめろよ」 この言い合いに、吹き出したのは優也君。 「なんなんすか、葉月っち面白すぎ!」 車の中は、やけに騒がしい。