愛情の距離






「安藤尚は、野球してる?」



「まぁね。
今はメジャーの選手優先だからあんまりしてないよ。ストレッチのアシスタントしてる…って聞いたろ?」



向かいに座る安藤尚の目はキラキラと輝いていた。



野球と触れ合えることが、安藤尚にとって一番嬉しいこと…なんだよね。

あたしはそれをわかってあげたい。

「あたしと野球どっちが大事なの?」

だなんて、どこかの女の子みたいに安藤尚を縛り付けるようなことはしない。