夏奈はホテルにいるだろうか……? そんなことを考えながら、俺は校門に向かった。 「安藤尚!」 なんか、声がした? 愛しい…声がした? バッと顔をあげると、校門のすみに、夏奈がうつむいている。 じゃあ……声は、空耳? でも……確かに夏奈の声だった。 「夏奈!!」 俺はかけよる。 「安藤尚?!なんでわかったの?」 「夏奈の声が聞こえた」 俺は微笑んだ。 夏奈の瞳が、一気に潤んだ。 俺はそれを包む。 夏奈ごと包む。