「洗濯物が散らかってたのを注意したりするのは普段から?」

「昨日はたまたまだよ。なんか目についたもんだから…」

「その直前、奥さんに何か言われましたか?」

「クリスマスイブなのに帰りが遅かったねと言われたけど、今までイブを祝ったりはしなかったから…」

「それで洗濯物のことを?」

「逆ギレしたわけじゃないよ。さっきも言ったけど、強く言った記憶はない」

達郎はメモをとりながら、なるほどとうなずいた。

「何かわかったのかい」

木村はみたび身を乗り出した。

「これはあくまで僕の想像で、そういった可能性があるという仮定の話に過ぎないのですが…」

達郎はメモを眺めながら言った。

「もどかしいなぁ」

木村の反応はもっともだった。

「もったいぶらずに教えてくれよ」

そう言われ、達郎はそれならとうなずいた。

「ではまず一つめ…」

「ちょ、ちょっと待ってくれ!?」

木村はあわてた。