「葉野くんが『先生のお気に入り』な理由がわかったかい」
「失礼な質問をしてすみませんでした」
達郎は頭を下げた。
「いいさ」
教授は手を振った。
「それに彼女にも悪い事をした…」
「先生?」
「いや、なんでもない」
それよりも、と緒方教授は身を乗り出した。
「なぜ月見くんは葉野くんの依頼を引き受けたんだい?」
「先ほど答えた通りですが…」
「それは違うだろう?」
教授は首を振った。
「葉野くんが君のお母さんに似ていたからじゃないのかね?」
「…なぜ、それを?」
達郎は動揺を隠さなかった。
否、隠せなかった。
「僕は若い時の君のお母さんを知っている。ただそれだけのことさ」
言われてみればそうだった。
達郎が物心ついた時、すでに母は今の亜季より年上だった。
しかし高校卒業して付き合いの途絶えた緒方教授にしてみれば、母のイメージは若い頃の姿そのままなのだ。
「失礼な質問をしてすみませんでした」
達郎は頭を下げた。
「いいさ」
教授は手を振った。
「それに彼女にも悪い事をした…」
「先生?」
「いや、なんでもない」
それよりも、と緒方教授は身を乗り出した。
「なぜ月見くんは葉野くんの依頼を引き受けたんだい?」
「先ほど答えた通りですが…」
「それは違うだろう?」
教授は首を振った。
「葉野くんが君のお母さんに似ていたからじゃないのかね?」
「…なぜ、それを?」
達郎は動揺を隠さなかった。
否、隠せなかった。
「僕は若い時の君のお母さんを知っている。ただそれだけのことさ」
言われてみればそうだった。
達郎が物心ついた時、すでに母は今の亜季より年上だった。
しかし高校卒業して付き合いの途絶えた緒方教授にしてみれば、母のイメージは若い頃の姿そのままなのだ。


