「あの…」
呼び掛けられ、達郎が視線を移すと、1人の女性が立っていた。
服装は白のツーピース。
同色のコートを羽織り、黒のストッキングに低いヒール。
手にしていた水色のファイルケースが不似合いといえば不似合いだった。
「月見達郎さんですよね?」
達郎はうなずいた。
「私、国文科4年の葉野亜季と言います」
4年なら達郎の先輩になるが、達郎には4年の海外留学期間がある。
彼女が現役であれば達郎の方が年上だ。
敬語を使っているところを見ると、彼女はそのへんの事情を知っているらしい。
「あの、今よろしいでしょうか?」
「かまいません。こちらの用事はもう済みましたから」
「できればここではないところでお話ししたいのですが」
亜季は木村を気にしながら、R大学近くのコーヒーショップの名前を口にした。
「では私、先に行っていますので」
亜季は一礼し、喫茶室から出ていった。
呼び掛けられ、達郎が視線を移すと、1人の女性が立っていた。
服装は白のツーピース。
同色のコートを羽織り、黒のストッキングに低いヒール。
手にしていた水色のファイルケースが不似合いといえば不似合いだった。
「月見達郎さんですよね?」
達郎はうなずいた。
「私、国文科4年の葉野亜季と言います」
4年なら達郎の先輩になるが、達郎には4年の海外留学期間がある。
彼女が現役であれば達郎の方が年上だ。
敬語を使っているところを見ると、彼女はそのへんの事情を知っているらしい。
「あの、今よろしいでしょうか?」
「かまいません。こちらの用事はもう済みましたから」
「できればここではないところでお話ししたいのですが」
亜季は木村を気にしながら、R大学近くのコーヒーショップの名前を口にした。
「では私、先に行っていますので」
亜季は一礼し、喫茶室から出ていった。