ウラコイ

何も話さず



そのまま
展望台まで 行った







「きれい…だね。周ちゃん、」





「みっちゃん、」



「周君、何か用があったんでしょ?どうしたの」



周ちゃんは 黙ったままだ。





きっと 翔太君が
賞をとるか私をとるか



賞をとったら
周ちゃんと寝る…




それは出来ない



「みっちゃんが、何で翔太が好きわけ?」






「……オヤジに似てるから?若いから?…」



早口で言う周ちゃんは
切羽つまって見えた



違うよ




「分からない…でも、」






―神田って呼ぶな!





―俺だけ知らないのは嫌だ




―いつもカメラマンのつっちしか見てなかったから