「あいつ、一人で出来るからいいって」 「そうなの~? じゃあお願いするね~」 そんな事、私一言も言っていない……! 言いたかったけれど、言えずに私は黙って下を向いた。 チラリと前を見ると、 二人は密着して顕微鏡を見ている。 「西野君と鈴ちゃんって付き合ってるのかな」 「分かんない。けど美男美女でお似合いだよね」 そんな女子たちのコソコソ話が聞こえてきて、 私は泣きたくなった。