くちづけのその後で

「もしかして、朱莉さんって鈍感なんですか……?」


「はい?」


あたしが益々困惑していると、真子ちゃんは話を続けた。


「その西本さんが、わざわざ朱莉さんの出勤日に予約を入れたんですよ!」


「それが何かあるん……?」


「だから、朱莉さんに気があるんですよっ♪」


真子ちゃんは声を弾ませた後、楽しそうにクスッと笑った。


いや、あたしの出勤日に予約を取っただけやん?


あたしは再び小首を傾げて、呆れながら口を開いた。