くちづけのその後で

「じゃあ、あたしはそろそろ帰るわ」


「えっ?もう?」


驚きながら訊くと、亜由美が笑顔で口を開いた。


「うん。だって、今から向こうのアパート行くんやろ?」


「うん」


「あたしもこれから仕事やから、早めに職場に行こうと思って」


「そっか!頑張って!」


亜由美は笑顔で頷いた後、玄関に行ってハイヒールを履いた。


「あっ、颯斗君!」


「はい?」


不意に振り返った亜由美が、あたしの隣にいる颯斗に満面の笑みを向けた。