くちづけのその後で

「海斗、コート着て!」


「なんでぇ?おでかけするん?」


「うん、早くっ!!」


「はーい!」


あたしが促すと、絵本を読んでいた海斗は布団から出た。


「もうおそとくらいのに、どこいくん?おかいもの?」


「ほら!お手々、通して!」


あたしは質問には答えずに、海斗にパジャマの上からコートを着せた。


それから、自分もスウェットの上からダウンジャケットを羽織った。


そして携帯と財布だけを手に持って、海斗を連れて家を飛び出した。