くちづけのその後で

「颯斗が……事故に遭って……。今、病院に運ばれたって……っ!」


颯斗の母親は、涙混じりに話した。


「え……?」


事故……?


心臓の音が、頭の奥まで響いている。


「は……颯斗が……っ……!」


電話越しでも、颯斗の母親がパニックになっているのが伝わって来る。


「どこの……病院ですか……?」


何とか震える声を絞り出して、小さく訊いた。


あたしは病院の場所を確認した後、颯斗の母親にすぐに行くと告げてから、電話を切った。